(続きです)
紹介してくれた弁護士に、時系列でまとめたものに合わせて、管理会社の社長とのやり取りをそのまま転送し、仲裁をお願いしたいとメールしたところ、すぐに電話がかかってきました。
「これは大変酷いケースです。大家(&社長)は当然、あなたがデルフトの物件をキャンセルできないと分かっています」
「今回のようなケースでは、普通は大家がちゃんと補償金を支払います。私から一度、社長に電話をします。それで解決できれば、手数料は要りません」
「補償金は1週間以内に弁護士事務所で所有している第三者口座に振り込んでもらいます。その後、あなたが引越しを完了した後に、あなたの口座に振り込みます」←なんて良いシステム!これなら安心。
そして最後に、
「もう少し早く私のところにくるべきだった」
金額については話がこじれているので、現状ではどの程度が妥当か弁護士に確認し、法律で決まっている金額よりも低い金額で交渉してもらうことにしました。
そして、‘they are playing a game with you’ということだそうです。彼らは、私をbullying(いじめ)している、そうです。
しかし、最初のこの電話は早かったんですけど、その後がちょっとオランダ的(笑)だったんですよねー、1週間何の連絡もありませんでした。
そうしているうちに、社長から「来週から工事を始める」と脅しのメールが来たので、すぐに弁護士に転送しました。それでも連絡がありません。
今思うと、別にビビることはなかったのに(実際工事を始めるのは無理)、このときは真に受けてしまいました。
・・・もしかして話がうまくいかなかった?でもなんで連絡くれないの?
頭の中でグルグル回っていましたが、工事を始められるのはとても困ります。
社長に、引越しの荷物を運ぶ料金だけ出してもらえれば、予定通り出て行くから、それまで工事を始めないでほしい、とメールしてしまったのです。
その後すぐに、弁護士から電話があり、メールしてしまったことを言うと、
「なんでー?私が交渉するって言ったのに!」
・・・だって連絡がなかったんだもん・・・
「社長から返事来た?(まだ来てない)。あなたが送ったメールにかぶせて、すぐにメールして。先ほどのメールは間違いで送信されました、この件については弁護士○○から連絡があります、と」
頭では分かっているし、簡単なことですが、(珍しく)パニクっていたので、えーっ、エーっと言っていると、
「今、私が文章をメールしているから、それをそのままコピーして送って」
と言われている間に、メールが届き、それをそのままコピーして社長に送信しました、ホッ。
それから、弁護士が社長に電話したところ、話した内容をメールで送ってほしいと言われた、と連絡があったので、追加で入れてほしい要望を入れてもらいました。(これが後々幸いしました、フフフ)
・支払い済みのデポジット(家賃1ヶ月分)を補償金と合わせて返金すること
デポジットがどうなるか、はっきりしていなかったので、入れてもらったのです。
そのオランダ語のメールもこちらに送ってもらいました。
その後、社長から、補償金の金額をさらに下げる要求がありましたが、デポジットについては合わせて返金することでOK。(はっきりと、akoordと書いてありました)
私は早く終わらせたかったので、言われた通りの金額で了解しました。
そして、弁護士がそれで了解の旨のメールをしました。この弁護士さんは、2人で共同事務所をやっていて、「明日からホリデイに出るけど、もし何かあれば同僚がフォローするからねー」
えっ、同僚さんですか・・・
「大丈夫よ、全部ちゃんと把握しているからー。私のメールもチェックしてるから」
そして、結局、1回の電話で終わらなかったので、こちらから弁護料をお支払いしたい、と言うと、
「ラブリー! じゃあ、1時間分でどうかしら。補償金から差し引いて振込をします」
しかし、これで解決、のようにみえましたが、これで終わらなかったんですよねー、えぇ。
その後、同僚の弁護士さんから社長に宛てたメールがCCで届きました。(なに?)
まず、社長から、大家とのやり取りを下に付けたメールが弁護士に届いたみたいで、
「以下のメールの通り、大家がデポジットは補償金に含まれると言っています。従って支払うのは補償金のみとなります。これが了解できない場合は、即刻工事を始めます」
(はああ?
入居時に支払うデポジットは、退去時に何か壊したとか備品をなくしたとかがなければ、全額返金されるべきもの。引越し費用である補償金とは全く別のものです)
同僚弁護士さんの返事は、
「補償金はそちらの言うとおりの金額で了承しました。デポジットについては既に合わせて支払いで了解を得ています。(中略)もし合計金額を支払わない場合、ハーグ裁判所で裁判を始める手続きをします。そうなった場合、一切の費用は大家に請求します」
・・・・・かっこいい〜(人ごとではないよ)
グーグル翻訳(オランダ語→英語)によると、弁護士さんが書いた‘大家からのメール’の部分には、なぜかbloodyって形容詞が付いてたんですけど、えっとこれって、まさかアレですか?それともグーグル先生の間違い?
管理会社が管理していた物件なので、大家とは一度も直接接触はありませんでしたが、そのとき初めて、大家のオランダ語のメールを見ました。
大家は、私のことは普通に’mevrouw’(英語のmadam)と書いてあったのですが、全体的な書き方がどうなのかはもちろん私にはわかりません。
管理会社の社長は、‘あの日本人の弁護士’という書き方でした。(ほー、私の国籍覚えてたんや、まあ最初にパスポート提示したけどな)
ちょっと話が横にそれますが、人種差別、例えば一部の白人が白人以外を下にみていることは、基本的にどうしようもないことだと私は思っています。それもあって、ある程度の都市部にしか住むつもりはありません。田舎にいくと、それが強くなる傾向があると思っているからです。そして、差別する人に対して、それは間違っていると指摘するつもりもありません。できるだけ接触を避けるだけです。まあ、言葉での差別程度であれば、気にしたりすることもありませんけどね。
その弁護士のメールに対する社長からの返事はなく、私は粛々と引っ越しの準備をすすめていました。
そして、引越しの当日、第三者口座に補償金&デポジットが振り込まれたと連絡がありました。
その返事をするときに、一応鍵をどうするかな思ったのでついでに聞いたところ、鍵は返してほしいとのことだから社長に連絡をして、行く日を知らせてほしい、とのことでした。速攻で社長からも留守電が入っていました(苦笑
イヤやな、会わなあかんのか・・・(ちなみにこの時点でもMさんは鍵を返すように言われていなかったので、時々アパートに来ては懐かしがっていました。私がいるときまでは(私のゲストとして)来てもいいと思うけど、引っ越した後は来ちゃダメよ、不法侵入になるわよ、と言っておきましたが)
アパートは全面改装をするってことだし、私の部屋の鍵なんてもう不要なのにねー
仕方ないので、翌日鍵を返しに行きました。暑い日で、帽子を深くかぶったままにしていました。
社長から、電気会社に引越しの連絡をしたかなど聞かれ(したわよっ)、部屋に入るでしょ?と言われたけど、コンプリートリーに空っぽだから安心して!(とちょっと嫌味言ったつもりだけど、そうはとっていないと思う笑)と言い、共用のホールで話しただけで、部屋には入りませんでした。
最後に、帽子の下に手が出てきて、握手を求められているようでしたが、一瞬、ネーイ(オランダ語のNo)と言って拒否しようかと思ったけど、指先でつまむように握手をしました。
ちなみに、この管理会社のスタッフの対応は悪くなかったですよ。古いアパートで、ちょっとの水漏れも結局3回修理に来て、最後まで直せなかったけど(最後は一人だったので、ひどくならないことを祈りつつ放置しました)。ほかの諸々もちゃんと対応してくれました。
結局、全て大家の費用になるので、大家の対応も悪くなかったわけです。こうなるまではね。
その後、なんとなく、改装した物件がでてるかなーと思って検索していたら、な、なんと!
改装せず、4世帯に分けたまま&空っぽボロボロの状態で売りに出していました!
それも、ひぃ〜〜っていうくらいの 高 額 で!
改装して1軒屋に戻す、といったのは、ウソではなかったと思います。方針を変更したのでしょう。状態があまりによくなかったので、売ってしまったのか。私がケチをつけたのか(苦笑
さらにビックリしたことに、数ヶ月後に売れたのです!
誰があのボロボロの家を買ったのでしょう?
さて、私が体験したことを、少々省きましたが時系列で書いてみました。もし万が一、同じようなケースで悩んでいる方がいらっしゃったら、まずリーガルセクションに行きアドバイスを求めることをおすすめしますが、私のように相手がタチの悪い人たちだった場合は、話がこじれる前に早めに(有料の)弁護士に相談したほうがいいと思います。
私の契約では、大家の都合で物件を改装するためテナントに退去を求める場合、大家が補償金を払うと決まっていました。契約によっては違う結論が出るかもしれませんので、必ず専門家に確認してもらう必要があります。
人生で初めて弁護士に仲裁を依頼した件でした。人生で初めて、が時々起こるオランダですね。
タイトルに、デンハーグ編と入れたのですが、つまり他にもあるかもしれませんね(苦笑
現在のアパートに引っ越してきて1年たったので、いつでも1ヶ月ノーティスで出ることができます。逆にずっと住むこともできますが、長く住める物件ではないので、ちょっと前から再び探し始めました。引っ越しを繰り返したくない(っていうかアパート探しをしたくない)ので、時間をかけても慎重に探します。オランダでのアパート探し、まだまだ続きます・・・はあ。
長々とお付き合いいただいてありがとうございました!
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